「河川砂防計画部」はどちらかというと川に関する仕事が多いです。砂防というのは、具体的には落石や雪崩への対応です。河川の氾濫などを防ぐための護岸工事の設計をしたり、落石や雪崩の恐れのある箇所を安全に保つために現地へ調査に行って、必要であればどんな工事をすればいいのかを提案するのが主な業務です。楽しいというか、本当に大変なのは調査です。これまで経験した中で一番思い出深いのは、山奥の落石現場の調査ですね。山へ入ってすぐ、3メートルくらいの壁があって、その壁の角度が30度とか40度くらい。高さは約400メートルです。東京タワーより高いその壁に登って、その先がどうなっているのかを見る。山を登って降りたら1日が終わってしまう仕事でした。怖いし疲れるし、本当に辛い仕事だったのですが、このような地道で丁寧な調査をして、図面を作り、それを施工業者さんに説明する時に、「現場をよく見て設計してくれたね」と言ってもらえると、やりがいと手応えを感じます。
そして、この仕事の魅力は「地図に残る仕事」であることでしょうか。私は今入社4年目ですが、1年目、2年目に設計した現場の工事がちょうど完成してきています。学生の頃から「地図に残る仕事」をしたかったので、完成した現場を見ると夢が叶ったな、と実感できます。
業務を進めていると、どうしても悩む箇所が出てきます。基準書があり、実際にはそれに沿って設計を進めるのですが、細かい部分で自信を持って図面を描けない時もあります。そのような時は、上司や、「技術総括」という専門の役職の方がいらっしゃるので、その人たちにすぐ相談します。そうすると、打ち合わせブースでディスカッションが始まり、その場で解決できることが多いです。豊富な経験と技術を持っている方がすぐそばにいてくださるというのは、とても恵まれた環境だと思います。
また、相談するだけではなく、自分の力を試すために、技術総括のお二人に声をかけることもあります。手ぶらで相談に行くのではなく、「私はこう思うのですが、どうでしょうか?」と質問をすると、どんなに経験が浅くても、よく考え、正しい答えを持っていれば背中を押してくれますし、逆に何も考えずに相談すると、その姿勢が見抜かれて厳しい言葉をいただくことになります。先生のような方が近くにいてくださるので、成長できる職場だと思います。
20代で「技術士」の資格を取ることです。技術士は、1つの業務の責任者になれる資格です。今の私は、書類を作ったり設計をしても、業務の仕上げの部分は上司にお願いしています。でも、「技術士」の資格を持っていれば、自分で考え、進めたプランを自分でプレゼンし完結することができます。その分責任も負うことになりますが、一連の業務を全て自分で完結させることが今の目標です。「技術士」の合格率は15%程度ととても難しい資格ですが、この会社でも珍しい20代での取得を目指し、今勉強をしています。